シェフ　パティシエ　松尾明恵

私のフランス菓子との出会いは製菓学校を卒業して就職した東京のパティスリーでした。オーナーがフランス人だったこのお店で、彼に教わったことが私の創作の原点でもあり、フランスに行って本場のお菓子を学んでみたいと思ったきっかけです。

最終的には16年いたパリで、いろいろなお店で働き、技術を磨く機会に恵まれました。パリのパティスリー＆カフェ Bread&Roses でシェフパティシエとして働いた経験は、それまでお店のレシピを忠実に作る側から一歩前へ進み、新しいお菓子を創作して、商品化できるよう開発して行くプロセスを学ぶとても有意義な経験でした。

それと同時に、いつか自分でお店を持ち自分の納得のいくお菓子を作って、お客様との距離の近い、喜びを感じられるお店を作りたいと思いました。そしてパリではなく、日本でやりたいと思うようになっていました。もともと私は九州や群馬の自然の豊かなところで育ったので、パリの様な都会ではなく、自然に近い場所へ戻りたかったのです。

前橋に住み始めて思ったのは、前橋は都心から近く教育や医療が整っていて住みやすいのに、豊かな自然も周りにあって暮らしやすいということでした。ここの自然や食文化を生かして、地域の皆さんに私がフランスで美味しいと思ったお菓子を提供して行きたいと思います。

そして、私の夢を現実にする為に関わってくれた皆様、パリや地方で出会った沢山の方々に感謝の意を込めて。